更新料
更新料は法律上の根拠がなく、更新料の金額についても客観的な基準はありません。借地権価格の5~10%程度とされています。(月額賃料の1~3ヶ月)
契約に更新料の支払が重要な要素となっている場合、信頼関係の維持の基盤となっている場合、更新料の支払を拒絶すると解除原因となります。
契約期間満了における更新問題
<更新料の法的性質>
更新料の法律的性質について、学説や裁判例などによって様々な見解がでており、未だ統一的な見解はありません。
一般には
1) 更新料自体を否定
2) 異議権放棄の対価
更新するに際して貸主が更新に対する意義を述べない(更新を承諾する)ことの対価
2) 賃料などの補充
賃料の増額が簡単に出来ないことから、過去の賃料の不足分の後払い精算、または将来の賃料について事前に前払いする、あるいはよりよい条件で他の賃借人に賃貸できるかもしれないところを従前と大差ない賃料で契約を継続させる分の穴埋めのために支払い
3) 権利金充填(更新によって敷金・権利金が目減りするのを填補)
4) 更新手数料
更新料が、日本全国で普遍的に支払われておらず、更新料を肯定する見解は合理的に説明できるというものでもない。ただ、裁判例では異議権の放棄または不足賃料の補充として扱っているものが主流である。
更新料は支払わなければならないものであるのか?
民法や借地法、借家法、借地借家法いずれにおいても更新料を支払うというような規定はありません。そこで、賃貸借契約において更新料を支払うという特別の合意をしていない限りは更新料を支払う義務はないというのが一般的な考えです。
更新料の支払いが慣習となっているのか否か?
借地借家法(借地法、借家法も同じ)は民法の特別法とされています。借地借家法には「慣習」についての特別規定はないので、一般法である民法に規定されている「慣習」(民法92条)が適用される可能性もあります。
「賃貸借契約の更新にあたっては、賃借人が賃貸人に対して一定の更新料を支払うという慣習がある」ということになれば、契約で更新料の支払いを定めていなくても更新料を支払う義務が発生する可能性があります。
しかし、更新料が普遍的に通用しているものではなく、その意味合いもきわめて曖昧であり、期間満了の場合には賃貸人が更新を拒絶しても、法律上は賃貸人が更新を拒絶する正当な事由が無い限り契約は更新されることとなること(借地借家法6条、28条)から、判例上も学説上も更新料の支払いは慣習ではないとしています。更新料を支払うのは、最低限の条件として当事者間に更新料支払いの合意がある場合に限られます。
今後、最高裁が何処まで言及するか?注目です。