埋蔵文化財包蔵地の評価について決着がついた。
①埋蔵文化財包蔵地については、発掘調査費の控除を認めた
②発掘調査費用は広大地評価による減額後に控除する事を認めた
平成18 年1 月に相続により取得した埋蔵文化財包蔵地について、通常評価の35%に当る広大地評価(11億7000 万円)にして相続税の申告し、その後、前記広大地評価額から埋蔵文化財の発掘費用を控除した2 億9000 万円の評価とする更正の請求を行った。
国税当局は発掘調査費用の控除は認めたが、広大地評価をする「前」に控除すべきという見解を示した。
国税当局による、土地の評価は8 億7000 万円となり、納税者の更正請求の評価額と5 億8000 万円もの開きが出ることになる。
埋蔵文化財は「地中に隠れたる瑕疵」である点で土壌汚染と類似しており、土壌汚染地の評価に準じて、発掘調査費用は広大地評価をして評価減した「後」で控除すべきという主張を行った。
平成19 年10 月に審査請求となり、平成20 年9 月の審査の結果
東京国税不服審判所は「宅地開発を行う場合は発掘調査を所有者の負担で行わなければならないことは明らかで、この事実は当該土地の評価に重大な影響を及ぼす。しかも土壌汚染地の評価方法に準じて評価されるべき。」という裁決を下した。
埋蔵文化財包蔵地の埋蔵文化財の発掘費用の算定がポイントとなるものと考えられます。
2008年12月29日月曜日
2008年12月11日木曜日
最高裁判例(道路指定処分不存在確認)
最高裁判例 事件番号 平成19(行ヒ)91 事件名 道路指定処分不存在確認請求事件
裁判年月日 平成20年11月25日 法廷名 最高裁判所第三小法廷 裁判種別
判決 結果 破棄自判 判例集巻・号・頁 原審裁判所名 大阪高等裁判所 原審事件番号 平成17(行コ)96 原審裁判年月日 平成18年12月19日 判示事項 裁判要旨 建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際,A点からB点を経てC点に至る幅員4m未満の道のうちA点からB点までの部分にのみ建築物が存した場合において,B点からC点までの部分が同法42条2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道に当たらないとされた事例。
最高裁判例
主文原判決を破棄する。被上告人の控訴を棄却する。控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
理由上告代理人小野誠之,同高橋みどりの上告受理申立て理由第1点について
1 本件は,告示により一定の条件に合致する道が一括して建築基準法42条2
項所定の道路( 以下「2項道路」という。)に指定されている京都市の区域内に土地を所有している上告人が,2項道路の指定権限を有する特定行政庁である被上告人に対し,上告人所有地に隣接する土地について2項道路の指定処分が存在しないことの確認を求めている事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人は, 第1 審判決別紙物件目録1記載の土地( 以下「本件土地」という。)を所有している。本件土地の西南に隣接する同目録2記載の土地(以下「本件通路部分」という。)は,現在,第1審判決別紙図面2のa点からB点を経てC点に至る市道の一部(C点側の端の部分)となっている。本件通路部分の幅員は約2.2m であり,その西南には水路が存在する。なお,上記市道は,大正9年に旧桂村において路線の認定がされ,昭和58年に市道として区域の決定及び供用の開始がされたものである。
(2) ア京都市の区域( 旧大枝村, 旧京北町大字広河原及び旧大原野村の区域を除く。以下同じ。)については,建築基準法第3章の規定は,昭和25年11月23日(以下「基準時」という。)から適用されている。
イ基準時当時の本件土地周辺の概況は,第1審判決別紙図面2のとおりである(以下,同図面の地点については,単に「A点」などという。)。
基準時当時,A 点からB 点を経てC 点に至る道( 以下「本件道路」という。) は,幅員4m未満1.8 m以上の道であり,A 点からB点までの部分には現に建築物が立ち並んでいたが,本件通路部分が含まれるB点からC点までの部分の両側は農地であり,建築物は存在しなかった。本件道路は,A点とC点で幅員4m以上の建築基準法42 条1項所定の道路(以下「1項道路」という。)に接続し,A 点からC点までの間では,1 項道路に接続する箇所はないが,B点から西方に向かう幅員4m未満の道が分岐しており,B 点からこの道を経由して1項道路に至ることも可能であった。A点からB点までの道の長さとB点からC点までの道の長さを比較すると,前者の方が長いものの,後者も相当の長さ(約60m)を有していた。
ウ基準時当時,本件道路及びその南方に連なるC点からD点までの道は,B点の北側の集落とD点の南側の集落を結ぶ道路として,常時公衆の往来に利用されていた。
1. (3) 京都市の区域に係る特定行政庁であった京都府知事は,昭和25 年12 月8日京都府告示第820 号(以下「本件告示」という。)により,基準時現在,同市の区域において, 現に建築物が立ち並んでいる幅員4m 未満1.8m以上の道で,袋路を除くものを一括して2項道路に指定した。
2. (4) 被上告人は, 本件道路は, 全体として基準時において現に建築物が立ち並んでいる道に当たり,本件告示の要件を満たすから,本件通路部分は2項道路である旨主張している。
3 原審は,上記事実関係等の下において, 要旨次のとおり述べて本件通路部分は2項道路に当たると判断し, 上告人の請求を棄却すべきものとした。
1. (1) 道路とは一定の長さを持ったものであり, 建築物が存在する前面部分のみではなく,これと一体となって同一の効用のある部分にも,2項道路の指定があったと見るべきである。そして,建築基準法は, 建築物の立ち並んでいる道について,原則としてその両端が同法上の道路に接続することを予定していると解されるから,上記の道路としての一体性,効用の同一性を判断するに当たっては,特別な事情のない限り,その両端が他の同法上の道路に接続している最小区域が重要な判断基準となる。
2. (2) 本件道路は, その両端において建築基準法上の道路に接続しており, その間に同法上の道路に接続する箇所はないのであるから,上記の区間において道路としての一体性,効用の同一性があるということができ,基準時における本件道路の利用状況等に照らしても,この判断を覆すに足りる事情は存しない。そうすると,本件道路は,本件通路部分を含むその全体について,本件告示により2項道路として指定されたものと認めるのが相当である。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
3. (1) 本件告示は, 基準時現在, 京都市の区域において現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満1.8 m以上の道で袋路を除くものを一括して2項道路に指定したものである。本件告示にいう現に建築物が立ち並んでいる道とは,2項道路の要件を定めた建築基準法42条2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道と同義をいうものと解される。
2項道路の制度は,建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で特定行政庁の指定したものを1項道路とみなすことにより,幅員4m 未満の道に接する敷地上の既存建築物を救済するとともに,原則としてその中心線からの水平距離2m の線をその道路の境界線とみなすことにより,その境界線内の土地について道路内の建築制限(同法44条1項)を及ぼし,将来的に幅員4m の道路を確保するという公益上の要請を満たそうとしたものである。
建築基準法上の道路については,これに接する敷地上の建築物の利用者の避難,防災,衛生,通行の安全等に支障が生じないよう保障する機能を果たすことが期待されているものであり,2項道路についてもこの点は同様であるが,ある道が上記のような機能を果たし得るためには,必ずしもその道の両端が同法上の道路に接続していることを要するものではなく,同法もそのことを2項道路の要件としているものではない。2項道路の指定は,上記のように,これにより新たに道路敷となる土地の所有者等の権利を制限する側面を有しているのであるから,その要件該当性を判断するに当たっては,現に建築物が立ち並んでいる道の範囲を必要以上に広くとらえて関係者の権利を害することのないようにしなければならない。
(2) 前記事実関係等によれば, 基準時当時, 本件道路のうちA 点からB 点までの部分には現に建築物が立ち並んでいたが,B 点からC点までの部分には建築物が存在せず,また,本件道路は,A点及びC点を除き1項道路に接続する箇所はないが,B点から西方に向かう幅員4m 未満の道が分岐し,B点からこの道を経由して1項道路に至ることも可能であったのであり,さらに,B点からC点までの道も相当の長さ(約60m )を有していたというのである。
上記のような基準時における本件道路の状況にかんがみると,本件道路が全体として基準時において現に建築物が立ち並んでいた道に当たると解するのは相当ではなく,B点からC点までの道については,基準時において現に建築物が立ち並んでいた道に当たらないというべきである。本件道路が北側の集落と南側の集落を結ぶ道路として常時公衆の往来に利用されていたことやB点からC点までの道が路線の認定を受けた道路の一部であることは,上記の判断を左右するものではない。
(3) そうすると, 本件通路部分については, 本件告示により2 項道路に指定されたものということはできず,2 項道路の指定処分は存在しないというべきである。
5 以上によれば,原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上告人の請求を認容した第1審判決は正当であるから,被上告人の控訴を棄却すべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。(裁判長裁判官藤田宙靖裁判官堀籠幸男裁判官那須弘平裁判官田原睦夫裁判官近藤崇晴)
裁判年月日 平成20年11月25日 法廷名 最高裁判所第三小法廷 裁判種別
判決 結果 破棄自判 判例集巻・号・頁 原審裁判所名 大阪高等裁判所 原審事件番号 平成17(行コ)96 原審裁判年月日 平成18年12月19日 判示事項 裁判要旨 建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際,A点からB点を経てC点に至る幅員4m未満の道のうちA点からB点までの部分にのみ建築物が存した場合において,B点からC点までの部分が同法42条2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道に当たらないとされた事例。
最高裁判例
主文原判決を破棄する。被上告人の控訴を棄却する。控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
理由上告代理人小野誠之,同高橋みどりの上告受理申立て理由第1点について
1 本件は,告示により一定の条件に合致する道が一括して建築基準法42条2
項所定の道路( 以下「2項道路」という。)に指定されている京都市の区域内に土地を所有している上告人が,2項道路の指定権限を有する特定行政庁である被上告人に対し,上告人所有地に隣接する土地について2項道路の指定処分が存在しないことの確認を求めている事案である。
2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) 上告人は, 第1 審判決別紙物件目録1記載の土地( 以下「本件土地」という。)を所有している。本件土地の西南に隣接する同目録2記載の土地(以下「本件通路部分」という。)は,現在,第1審判決別紙図面2のa点からB点を経てC点に至る市道の一部(C点側の端の部分)となっている。本件通路部分の幅員は約2.2m であり,その西南には水路が存在する。なお,上記市道は,大正9年に旧桂村において路線の認定がされ,昭和58年に市道として区域の決定及び供用の開始がされたものである。
(2) ア京都市の区域( 旧大枝村, 旧京北町大字広河原及び旧大原野村の区域を除く。以下同じ。)については,建築基準法第3章の規定は,昭和25年11月23日(以下「基準時」という。)から適用されている。
イ基準時当時の本件土地周辺の概況は,第1審判決別紙図面2のとおりである(以下,同図面の地点については,単に「A点」などという。)。
基準時当時,A 点からB 点を経てC 点に至る道( 以下「本件道路」という。) は,幅員4m未満1.8 m以上の道であり,A 点からB点までの部分には現に建築物が立ち並んでいたが,本件通路部分が含まれるB点からC点までの部分の両側は農地であり,建築物は存在しなかった。本件道路は,A点とC点で幅員4m以上の建築基準法42 条1項所定の道路(以下「1項道路」という。)に接続し,A 点からC点までの間では,1 項道路に接続する箇所はないが,B点から西方に向かう幅員4m未満の道が分岐しており,B 点からこの道を経由して1項道路に至ることも可能であった。A点からB点までの道の長さとB点からC点までの道の長さを比較すると,前者の方が長いものの,後者も相当の長さ(約60m)を有していた。
ウ基準時当時,本件道路及びその南方に連なるC点からD点までの道は,B点の北側の集落とD点の南側の集落を結ぶ道路として,常時公衆の往来に利用されていた。
1. (3) 京都市の区域に係る特定行政庁であった京都府知事は,昭和25 年12 月8日京都府告示第820 号(以下「本件告示」という。)により,基準時現在,同市の区域において, 現に建築物が立ち並んでいる幅員4m 未満1.8m以上の道で,袋路を除くものを一括して2項道路に指定した。
2. (4) 被上告人は, 本件道路は, 全体として基準時において現に建築物が立ち並んでいる道に当たり,本件告示の要件を満たすから,本件通路部分は2項道路である旨主張している。
3 原審は,上記事実関係等の下において, 要旨次のとおり述べて本件通路部分は2項道路に当たると判断し, 上告人の請求を棄却すべきものとした。
1. (1) 道路とは一定の長さを持ったものであり, 建築物が存在する前面部分のみではなく,これと一体となって同一の効用のある部分にも,2項道路の指定があったと見るべきである。そして,建築基準法は, 建築物の立ち並んでいる道について,原則としてその両端が同法上の道路に接続することを予定していると解されるから,上記の道路としての一体性,効用の同一性を判断するに当たっては,特別な事情のない限り,その両端が他の同法上の道路に接続している最小区域が重要な判断基準となる。
2. (2) 本件道路は, その両端において建築基準法上の道路に接続しており, その間に同法上の道路に接続する箇所はないのであるから,上記の区間において道路としての一体性,効用の同一性があるということができ,基準時における本件道路の利用状況等に照らしても,この判断を覆すに足りる事情は存しない。そうすると,本件道路は,本件通路部分を含むその全体について,本件告示により2項道路として指定されたものと認めるのが相当である。
4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
3. (1) 本件告示は, 基準時現在, 京都市の区域において現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満1.8 m以上の道で袋路を除くものを一括して2項道路に指定したものである。本件告示にいう現に建築物が立ち並んでいる道とは,2項道路の要件を定めた建築基準法42条2項にいう現に建築物が立ち並んでいる道と同義をいうものと解される。
2項道路の制度は,建築基準法第3章の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で特定行政庁の指定したものを1項道路とみなすことにより,幅員4m 未満の道に接する敷地上の既存建築物を救済するとともに,原則としてその中心線からの水平距離2m の線をその道路の境界線とみなすことにより,その境界線内の土地について道路内の建築制限(同法44条1項)を及ぼし,将来的に幅員4m の道路を確保するという公益上の要請を満たそうとしたものである。
建築基準法上の道路については,これに接する敷地上の建築物の利用者の避難,防災,衛生,通行の安全等に支障が生じないよう保障する機能を果たすことが期待されているものであり,2項道路についてもこの点は同様であるが,ある道が上記のような機能を果たし得るためには,必ずしもその道の両端が同法上の道路に接続していることを要するものではなく,同法もそのことを2項道路の要件としているものではない。2項道路の指定は,上記のように,これにより新たに道路敷となる土地の所有者等の権利を制限する側面を有しているのであるから,その要件該当性を判断するに当たっては,現に建築物が立ち並んでいる道の範囲を必要以上に広くとらえて関係者の権利を害することのないようにしなければならない。
(2) 前記事実関係等によれば, 基準時当時, 本件道路のうちA 点からB 点までの部分には現に建築物が立ち並んでいたが,B 点からC点までの部分には建築物が存在せず,また,本件道路は,A点及びC点を除き1項道路に接続する箇所はないが,B点から西方に向かう幅員4m 未満の道が分岐し,B点からこの道を経由して1項道路に至ることも可能であったのであり,さらに,B点からC点までの道も相当の長さ(約60m )を有していたというのである。
上記のような基準時における本件道路の状況にかんがみると,本件道路が全体として基準時において現に建築物が立ち並んでいた道に当たると解するのは相当ではなく,B点からC点までの道については,基準時において現に建築物が立ち並んでいた道に当たらないというべきである。本件道路が北側の集落と南側の集落を結ぶ道路として常時公衆の往来に利用されていたことやB点からC点までの道が路線の認定を受けた道路の一部であることは,上記の判断を左右するものではない。
(3) そうすると, 本件通路部分については, 本件告示により2 項道路に指定されたものということはできず,2 項道路の指定処分は存在しないというべきである。
5 以上によれば,原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。そして,上告人の請求を認容した第1審判決は正当であるから,被上告人の控訴を棄却すべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。(裁判長裁判官藤田宙靖裁判官堀籠幸男裁判官那須弘平裁判官田原睦夫裁判官近藤崇晴)
2008年6月16日月曜日
個人信託を利用した特別障害者の生活安定
特別障害者の生活安定のための信託
障害者の子供を持つ父母にとっては、自分たちの老後とともに、障害者を持つ子供たちの将来が心配です。子供たちの、身上看護、生活安定を考えなければなりません。しかし、障害者を持つ子供たちの生活安定は財産面だけではなく、身上看護から自分たちの任意後見問題まで関わってきます。
この問題に対して総合的に対応するためには、地域のたすけあいサービスと任意後見制度の利用、そして、個人信託制度の活用が不可欠です。この三位一体のシステムが無ければ、障害を持つ子供達の将来の安心は確保できないと言えます。そして、障害を持つ全ての子供たちが安心して生活できるために、相互扶養基金が創設されることを願います。
(1) 概要
特別障害者 (注1) の方の生活の安定を図ることを目的に、そのご親族等(注2) が信託会社に財産 (注3) を信託します。
信託会社は、信託された財産を管理し、特別障害者の方の生活費や医療費として定期的に金銭を交付します。
(2) 効果
この信託を利用すると、相続税法の『特別障害者に対する贈与税の非課税制度』により6,000万円を限度として贈与税が非課税となります。
6,000万円の評価は、相続税評価額で判断するため、収益不動産の生前贈与を信託により行えば、相続税対策としても有効です。
(注1)
① 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者または児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センターもしくは精神保健指定医の判定により重度の知的障害者とされた者
② 精神障害者保健福祉手帳に障害等級が1級である者として記載されている者
③ 1級または2級の身体障害者手帳所有者
④ 特別項症から第3項症までの戦傷病者手帳所有者
⑤ 原子爆弾被爆者として厚生労働大臣の認定を受けている者
⑥ 常に就床を要し、複雑な介護を要する者のうち、精神または身体の障害の程度が上記①または③に準ずるものとして市町村長などの認定を受けている者
⑦ 精神または身体に障害のある年齢65歳以上の者で、その障害の程度が上記①または③に準ずるものとして市町村長の認定を受けている者
(注2)
個人であれば、ご親族でなくても可能です。また、共同で信託することも可能です。
(注3)
① 金銭
② 有価証券
③ 金銭債権
④ 立木および立木の生立する土地(立木とともに信託されるものに限ります)
⑤ 継続的に相当の対価を得て他人に使用させる不動産
⑥ 受益者である特別障害者の居住の用に供する不動産(上記①から⑤までの財産のいずれかとともに信託されるものに限ります)
2008年6月13日金曜日
個人信託(有効活用型)
土地信託とは
土地信託とは、土地の所有者(②委託者)が土地の有効活用を図るため、その所有する土地を信託会社(③受託者)に①信託し、信託会社が信託契約の定めに従って、土地所有者の指図のもとに土地所有者に代わってその土地の有効活用のための企画立案、建築資金の調達、建物建設の管理・運営等を行い、その利益を信託配当として、土地所有者(委託者兼④受益者)に交付するしくみです。
①信託
信託とは、信託会社に財産を委託(土地の有効活用を委託)することです。
②委託者
信託を設定し、受託者に対し一定の目的に従い財産の管理又は処分をさせるため、財産権の移転をする者を いいます。
③受託者
委託者から財産権の移転をうけ、一定の目的に従い、その財産の管理又は処分を行う者をいいます。委託者 となるためには、信託会社として内閣総理大臣の免許を受けることが必要となります。
④受益者
信託行為に基づいて、信託の利益(信託配当)を享受する者をいいます。
有効利用型土地信託は、信託会社が信託を受けた土地の上に委託者の指図のもとに建物を建築し、長期間にわたり不動産の賃貸事業を行う信託です。
土地の所有権はいったん信託会社に移転されますが、信託終了時には現状有姿のまま土地建物が受益者に返却されます。
土地の所有者は、信託会社のノウハウや信用力を活用することにより土地を手放すことなく有効活用を図ることができ、その利益を信託配当として受取ることができます。
土地所有者に資金力がない場合でも、信託会社が事業資金を調達することになるため、資金調達が比較的行いやすくなります。
有効活用型土地信託のメリット
(1)土地を処分(売却)することなく有効活用が図れ、事業による安定した収入が得られます。
(2)信託機関の満了時には土地建物がそのまま返却されます。
(3)事業に必要な資金は、信託会社が調達します。
(4)信託会社が土地所有者に代わって煩雑な開発手続き、建物の工事発注、テナントの募集及び管理等を行います。
2008年4月18日金曜日
個人信託のしくみ
個人信託のしくみは、本人(委託者)が決めた目的のために信託会社(受託者)に本人の財産の名義を移転します。信託会社は本人又は本人が指定者(受益者)のために、その財産の管理運用をします。
個人信託は財産管理運用・相続・事業承継・扶養・老後の生活・認知症の不安などを解決する方法です。本人意志により信託を設計することができます。しかし、財産を信頼できる人に託すには、本当に信頼できる人がいるのだろうか?ましてや、個人に全財産を託してしまって、その人が破産したらどうするなんて心配になりますよね。信託会社は信託財産を会社財産とは別に管理しなければなりません。また、信託会社が倒産しても信託財産は守られるしくみになっています。
信託の基本的に言葉の意味は知っておいてください。
「信託行為」:信託をする場合の方法のことです。
信託は
①信託契約、②遺言、③公正証書等によってできます。
信託行為により信託の目的、信託財産等を決めます。
「受託者」 :信託財産の管理または処分をする人のことです。
「委託者」 :信託行為により信託をする人のことです。
「信託財産」:委託者から受託者に引き渡される財産です。
①金銭
②有価証券
③土地、建物
④金銭債権
⑤動産
⑥知的財産
などがあります。
「受益権者」:信託の利益を受ける権利(受益権)を持つ人のことです。
「指図権者」:財産の管理運用の指図をする人のことです。
本人でも別の人を指定してもかまいません。
「受益権」 :信託財産の引渡し、信託財産からの収益を受ける権利のことです。
個人信託セミナー予定
「個人信託の活用で実現する豊かなセカンドライフと円滑な相続」
・個人信託で解決できること
・長期扶養給付を可能にする個人信託
・認知症の不安を解消するための個人 信託
・特別障がい者の生活安定のための個人信託
・豊かなセカンドライフのリバースモーゲージ信託
・任意後見と信託
2008年5月10日(土)13:15~16:30
国際教育センター(広島)
講師:猪股 豊
賃貸住宅フェア2008in名古屋
2008年5月14日(水)10:10~11:00
吹上ホール(名古屋市中小企業振興会館5階)
講師:猪股 豊
2008年5月18日(日)13:00~17:00
久屋パークビル5階(名古屋)
講師:猪股 豊
2008年2月29日金曜日
立退き交渉の話し
シロアリ騒ぎや蚊の集団発生なんて当たり前、近所の人たちが右往左往して、その度に管理会社に苦情が持ち込まれてもなしのつぶて。
そんな文化住宅は、ミニ開発による小規模住宅が建ち並ぶ地域の一角にある。築43年の二階建て建物。中途半端な立ち退き交渉の結果か?あと2戸だけがガンとして譲らない。
こんな話を持ってくるのは、いつも大手住宅メーカーのアパート・マンション部隊。家主の前で立ち退きのプロと紹介されると、思わず引きつり笑いが出てしまう。
『ちがうで~』と言いたいのだが、『どうとでも紹介してくれ』という気になる。
家主との最初の面談で状況を聞いてみると、家主は福井県に住んでいる。文化住宅は商売の関係で先代が買ったもので。二代目は厄介な代物と言いたげである。最近は4~5年現地を見たこともないし、ましてや借家人の名前も知らないとのこと。とんでもない状態である。
全て管理会社任せだがその管理会社も力の入らない物件で放ったらかしなのだ。
たまに管理会社から来るのは修繕費の見積書と請求書だけ。家主は訳もわからず支払っているだけなのだ。
家主は、管理会社を通して5年ほど前から出て行ってくれ、と借家人には話しをしている様である。
家主曰く
「出て行ってくれとお願いしても、出て行ってくれへん!」と
『馬鹿かおまえは!そんな事で立ち退いてくれたら苦労はないけど、反対に厄介なんや!
あんた、管理会社に頼んだだけでしょ』!
立ち退き交渉が頓挫するのは、相手の立場が理解できないボタンの掛け違いが原因である事が多い。その相手とは65歳の小太りおばちゃんである。どうも、同居人がいる様である。
同居人52歳。弟かと思っていたら、彼氏の様である。本人は高血圧だと言うが血気盛んなはずや。おったまげた話である。
通常、家賃の集金と一緒に立ち退きの話も進めていくのが常套手段ですが、
挨拶後一回目の集金も終わり、それとなく聞いてみた。
「建物もだいぶ古なってるけど、どう?」
おばちゃんは待ってましたとばかり、
「ほら、表の廊下のトタン穴が空いてるやろ!この前の雹で抜けたんやで。バリバリバリてそらすごかったで。」
「屋根の下で傘ささなあかん様になってるで」
「そやし、窓に隙間があって寒うて、寒うてかなわんわ」
そんなときは、
「そやな、そやけど修理するとお金かかるしな。そんなお金があったら少しでも有利な条件で立退きの話したいね」
「どうしても、あかん時は言ってちょうだい」
とぼけてしまうに限る。
今までの、家主や修繕にたいする不満が出てくるのは仕方がない話である。
「ここに住んでたら、何処へも行かれへんわ!」
たいてい、この言葉から始まる。
「この辺はええで。友達も一杯おるし、なんせ住んでる人がええもん」
住めば都です。それに自分たちで建物を修繕しながら住んでるから、自分の家みたいなもんです。しかも、年配になって新しい環境に変わることへの不安は絶大な物です。
どうしても家族と一緒に話をしなければ解決できません。
実は、おばちゃんは5年前に近くのアパートの立退きにあい移転してきたのである。これで3回目の立退きである。相手は手慣れたもので、立退きの話を切り出すと、『そんな話もあるやろなあ~と思ってたわ』と平然としている。
相手の方が一枚上手かもしれへんでと思ってしまう。
次は、ゆっくりと世間話の中で、家族関係について話を聞き出す。
子供は娘が一人で、車で1時間程度の場所にいる様である。
「娘は、自分の近くに来いと言うけど、ここから離れたくない」とぽつりと話す。
そして、5年前までは、近くで働いていたけど、高血圧と膝の痛みで最近は病院通いである。
こういう場合、娘さんと話しをするのが早い。
2週間後、娘夫婦を交えての交渉が始まった。
短刀直入に話を切り出す。
「立退きの話やけど、建物も古くなって、危ない状態です。今度地震でもあったら大変なことになります」
「近所つきあいとかいろいろあるかも知れませんが、何とか円満に解決したいと思っています」
「絶対に嫌やて言うんやったら、先に言ってくださいね」
「話が進められる様なら、家主との間で調整します。そやけど、あんまり無茶言われたら私も知りませんよ」
立退き交渉の手法は色々あるが、
条件提示の方法とタイミングである。
総額でこれで立退いてくれと言う方法もあるが、力業である。場合によれば根拠のない交渉が永遠と続く事になる。最後には居座りと強行突破の対立になってしまう事が多い。
それを避けるためにも、妥協や納得できる根拠に基づいて、到達点を模索する事である。あくまでも客観的な判断のできる材料で勝負する事である。
立退き予算の60%~80%程度での条件提示が多いのだが
立退料の提示項目は次の5点である。
① 引越し費用
② 保証金差額
③ 家賃差額
④ その他
⑤支払条件
具体的に説明すると
①家族構成・間取りにより概算を算出する。
②同程度の貸家の保証金相場から現在の預り保証金との差額を計算する。
最近、マンションが多くなって文化住宅等が近隣に存在しない場合も多い。幾分かの調整が必要となる。
③移転先の家賃との差額であるが、②と同様に幾分かの調整が必要となる。
合意書の締結・移転先の確保が完了した時点で、現在の家賃支払いを免除する事が多い。
移転先が決まると早く移転したいと思うのが常であり・早く、その気にさせることである。
交渉現場では、
「話が決まったら、移転先を見つけるための費用はお渡ししますし、移転先が決まったらここの家賃も止めましょう」となる。
④その他は、移転先の仲介費用・移転手続きの煩雑さに対する迷惑料・引越挨拶状等の負担などを考慮して決める。
⑤支払条件は、先行して必要な移転費用の確保を考慮して考えなければならない。移転の確実性等を考慮しての判断が必要となる。
相手方の条件としてよく主張されるのが、
「このタンスも次の所へ持って行かれへんし、クーラーも移転できひんしなあ」という様な言葉である。それは、これは、借家人の勝手な意見であるがあまり拒絶すると角が立つ。
「何もかも家主が負担するのはおかしいで。ある程度は考えてもらえるやろけど、期待はせんといてや」
また、これは邪道ではあるが、
「私も早く解決する事を望んでるし、積極的に協力してもらって立退きが早く完了するなら、私の報酬からいくらかは補填しますよ」と言う場合がある。
「そらあかんで、そら悪いで」といいながら、借家人はニヤニヤするのである。
事業としては立退きが早く終われば、それだけ効率的である。その分を補填費用に充てるのである。
立退きが確実かどうかも解らないのに費用を先行して払うことに対しては、抵抗があるが、金の無い借家人は次の家も借りられないのである。
立退合意書締結時に一時金を払い、移転先が決定した場合にはその契約書を確認し中間金を支払い、立退完了確認後に残額を支払う事になる。場合によっては、移転先契約に同席しその場で中間金を支払う事もある。
さてさて、おばちゃんとの立退き交渉だが、『元気な間に、近くに住んだら』という娘さんの説得で立退き合意は早かったが、問題になったのは彼氏との老いらくの恋である。
おばちゃんは、「彼氏の住むところが無くなると可哀想や」と言って、泣き崩れている。
そうかといって移転先は娘の家の近くなので、彼氏と同居するわけにはいかない。
今度は彼氏の説得である。
「職を見つけて自立をしないと」
「何時までも今の状態を続けることは無理ですよ」
彼氏もやっと解ってくれたので、立退き期日を決めて合意書の締結日を決定することになったが、なんとも、悲しい別れであった。
最後に
一般的な立退き交渉の裏話であるが、立退きは相手の生活や人生観を理解する事が出発点である。感情論に流されないように客観的条件を示すことが第一である。今回、占有を生業とする専門人との交渉については書けなかったが、その交渉はより客観的であり別の視点が必要である。また、相手もプロである以上早期解決の効用は十分理解している。別の意味で話は早いのである。話が纏まったら2~3日以内に立退きが完了する世界なのである。
そんな文化住宅は、ミニ開発による小規模住宅が建ち並ぶ地域の一角にある。築43年の二階建て建物。中途半端な立ち退き交渉の結果か?あと2戸だけがガンとして譲らない。
こんな話を持ってくるのは、いつも大手住宅メーカーのアパート・マンション部隊。家主の前で立ち退きのプロと紹介されると、思わず引きつり笑いが出てしまう。
『ちがうで~』と言いたいのだが、『どうとでも紹介してくれ』という気になる。
家主との最初の面談で状況を聞いてみると、家主は福井県に住んでいる。文化住宅は商売の関係で先代が買ったもので。二代目は厄介な代物と言いたげである。最近は4~5年現地を見たこともないし、ましてや借家人の名前も知らないとのこと。とんでもない状態である。
全て管理会社任せだがその管理会社も力の入らない物件で放ったらかしなのだ。
たまに管理会社から来るのは修繕費の見積書と請求書だけ。家主は訳もわからず支払っているだけなのだ。
家主は、管理会社を通して5年ほど前から出て行ってくれ、と借家人には話しをしている様である。
家主曰く
「出て行ってくれとお願いしても、出て行ってくれへん!」と
『馬鹿かおまえは!そんな事で立ち退いてくれたら苦労はないけど、反対に厄介なんや!
あんた、管理会社に頼んだだけでしょ』!
立ち退き交渉が頓挫するのは、相手の立場が理解できないボタンの掛け違いが原因である事が多い。その相手とは65歳の小太りおばちゃんである。どうも、同居人がいる様である。
同居人52歳。弟かと思っていたら、彼氏の様である。本人は高血圧だと言うが血気盛んなはずや。おったまげた話である。
通常、家賃の集金と一緒に立ち退きの話も進めていくのが常套手段ですが、
挨拶後一回目の集金も終わり、それとなく聞いてみた。
「建物もだいぶ古なってるけど、どう?」
おばちゃんは待ってましたとばかり、
「ほら、表の廊下のトタン穴が空いてるやろ!この前の雹で抜けたんやで。バリバリバリてそらすごかったで。」
「屋根の下で傘ささなあかん様になってるで」
「そやし、窓に隙間があって寒うて、寒うてかなわんわ」
そんなときは、
「そやな、そやけど修理するとお金かかるしな。そんなお金があったら少しでも有利な条件で立退きの話したいね」
「どうしても、あかん時は言ってちょうだい」
とぼけてしまうに限る。
今までの、家主や修繕にたいする不満が出てくるのは仕方がない話である。
「ここに住んでたら、何処へも行かれへんわ!」
たいてい、この言葉から始まる。
「この辺はええで。友達も一杯おるし、なんせ住んでる人がええもん」
住めば都です。それに自分たちで建物を修繕しながら住んでるから、自分の家みたいなもんです。しかも、年配になって新しい環境に変わることへの不安は絶大な物です。
どうしても家族と一緒に話をしなければ解決できません。
実は、おばちゃんは5年前に近くのアパートの立退きにあい移転してきたのである。これで3回目の立退きである。相手は手慣れたもので、立退きの話を切り出すと、『そんな話もあるやろなあ~と思ってたわ』と平然としている。
相手の方が一枚上手かもしれへんでと思ってしまう。
次は、ゆっくりと世間話の中で、家族関係について話を聞き出す。
子供は娘が一人で、車で1時間程度の場所にいる様である。
「娘は、自分の近くに来いと言うけど、ここから離れたくない」とぽつりと話す。
そして、5年前までは、近くで働いていたけど、高血圧と膝の痛みで最近は病院通いである。
こういう場合、娘さんと話しをするのが早い。
2週間後、娘夫婦を交えての交渉が始まった。
短刀直入に話を切り出す。
「立退きの話やけど、建物も古くなって、危ない状態です。今度地震でもあったら大変なことになります」
「近所つきあいとかいろいろあるかも知れませんが、何とか円満に解決したいと思っています」
「絶対に嫌やて言うんやったら、先に言ってくださいね」
「話が進められる様なら、家主との間で調整します。そやけど、あんまり無茶言われたら私も知りませんよ」
立退き交渉の手法は色々あるが、
条件提示の方法とタイミングである。
総額でこれで立退いてくれと言う方法もあるが、力業である。場合によれば根拠のない交渉が永遠と続く事になる。最後には居座りと強行突破の対立になってしまう事が多い。
それを避けるためにも、妥協や納得できる根拠に基づいて、到達点を模索する事である。あくまでも客観的な判断のできる材料で勝負する事である。
立退き予算の60%~80%程度での条件提示が多いのだが
立退料の提示項目は次の5点である。
① 引越し費用
② 保証金差額
③ 家賃差額
④ その他
⑤支払条件
具体的に説明すると
①家族構成・間取りにより概算を算出する。
②同程度の貸家の保証金相場から現在の預り保証金との差額を計算する。
最近、マンションが多くなって文化住宅等が近隣に存在しない場合も多い。幾分かの調整が必要となる。
③移転先の家賃との差額であるが、②と同様に幾分かの調整が必要となる。
合意書の締結・移転先の確保が完了した時点で、現在の家賃支払いを免除する事が多い。
移転先が決まると早く移転したいと思うのが常であり・早く、その気にさせることである。
交渉現場では、
「話が決まったら、移転先を見つけるための費用はお渡ししますし、移転先が決まったらここの家賃も止めましょう」となる。
④その他は、移転先の仲介費用・移転手続きの煩雑さに対する迷惑料・引越挨拶状等の負担などを考慮して決める。
⑤支払条件は、先行して必要な移転費用の確保を考慮して考えなければならない。移転の確実性等を考慮しての判断が必要となる。
相手方の条件としてよく主張されるのが、
「このタンスも次の所へ持って行かれへんし、クーラーも移転できひんしなあ」という様な言葉である。それは、これは、借家人の勝手な意見であるがあまり拒絶すると角が立つ。
「何もかも家主が負担するのはおかしいで。ある程度は考えてもらえるやろけど、期待はせんといてや」
また、これは邪道ではあるが、
「私も早く解決する事を望んでるし、積極的に協力してもらって立退きが早く完了するなら、私の報酬からいくらかは補填しますよ」と言う場合がある。
「そらあかんで、そら悪いで」といいながら、借家人はニヤニヤするのである。
事業としては立退きが早く終われば、それだけ効率的である。その分を補填費用に充てるのである。
立退きが確実かどうかも解らないのに費用を先行して払うことに対しては、抵抗があるが、金の無い借家人は次の家も借りられないのである。
立退合意書締結時に一時金を払い、移転先が決定した場合にはその契約書を確認し中間金を支払い、立退完了確認後に残額を支払う事になる。場合によっては、移転先契約に同席しその場で中間金を支払う事もある。
さてさて、おばちゃんとの立退き交渉だが、『元気な間に、近くに住んだら』という娘さんの説得で立退き合意は早かったが、問題になったのは彼氏との老いらくの恋である。
おばちゃんは、「彼氏の住むところが無くなると可哀想や」と言って、泣き崩れている。
そうかといって移転先は娘の家の近くなので、彼氏と同居するわけにはいかない。
今度は彼氏の説得である。
「職を見つけて自立をしないと」
「何時までも今の状態を続けることは無理ですよ」
彼氏もやっと解ってくれたので、立退き期日を決めて合意書の締結日を決定することになったが、なんとも、悲しい別れであった。
最後に
一般的な立退き交渉の裏話であるが、立退きは相手の生活や人生観を理解する事が出発点である。感情論に流されないように客観的条件を示すことが第一である。今回、占有を生業とする専門人との交渉については書けなかったが、その交渉はより客観的であり別の視点が必要である。また、相手もプロである以上早期解決の効用は十分理解している。別の意味で話は早いのである。話が纏まったら2~3日以内に立退きが完了する世界なのである。
2008年2月1日金曜日
不動産はどう動く(2005年を見据えて)
「人口減少社会」・「2010年問題」・「建築不況」・「ザブプライムローン」と厳しい話題ばかりの年明けである。
人口減少問題・2010年問題・超高齢化社会の始まりの年である。現在はその序曲にすぎない事を肝に命じなければならない。本当の人口減少は17年後にやってくる。団塊の世代が80代に突入した時期である。団塊ジュニアが50代となり、団塊ジュニア・ジュニアが社会人となる時期である。この17年間で限界村落が崩壊村落となり、限界都市が生じることになる。団塊世代の急激な減少により都市崩壊が生じる恐れがある。団塊ジュニア以降の世代を考え、17年以降を視野にいれた都市福祉政策が課題となる。都市政策と福祉政策の融合であり、行政主導の街作りからの脱却である。また、限界村落の再生に向けた、農地法の改正提言を視野に入れた企業型農業への誘導が必要となり、場当たり的な補助金政策では食料危機は回避できないのである。団塊世代が農業に回帰するという妄想は捨てて、企業型の農業の確立が急がれる。守るべきものは、日本に住むものの食料であり、小規模農家ではないはずである。
耐震問題・建築基準法改正の影響を受けた建築不況は国家政策の稚拙さといわざるを得ない。しかし、200年住宅が必要なのであろうか、20年周期で日本が変わろうとしている時期に、住宅資本の固定化を図るべきであろうか?疑問が残る。なぜ、短絡的になるのだろう。住宅土地調査会長が福田康夫氏であったからとは考えたくないのであるが。日本の木造住宅は建替までの期間が短く、地域の変化に柔軟に対応でき、そのことが、土地活用・再生の原動力となって経済発展をしてきたことを思い起こしてほしい。このことが、100年後に遺恨を残す超高層マンションの乱立の再現にならないかが心配である。
今、急がれることは地域のコミュニティの再生にほかならない。地域コミュニティとの連携型事業が最良の生き残り策であると考える。NPO法人・医療法人との協働による、介護、医療連携型の居住空間が求められている。
サブプライムローン問題により日本経済も影響を受けている。しかし、本番はこれからである。サブプライムローンはアメリカの問題と思っていないか?日本にもサブプライムローンは存在する。旧住宅金融公庫のローン条件の緩和とステップ返済のつけがそろそろ顕在化しようとしている。構造的不況の中、返済額の急激な増加に耐えられない債務者が日本国内でも大量に出現するであろう。日本型サブプライムローンの破綻シナリオを検討すべき時期にきている。
また、不動産証券化商品の組替えが急激に行われている現状を見るにつけ、バブル前夜のような様相が見える。サブプライムローン証券と同様に黒い足音が聞こえるのは私だけであろうか?3月末にかけて、建築関連企業大型倒産の足音が聞こえてくる。フアンド融資を蹴られた物件、建築確認の遅れで資金繰りが悪化した事業、保有資産の資金化等の動きが始まっている。これを、危機と考えるか?絶好のチャンスと見るか?どちらのポジションになれるか?気の抜けない数ヶ月となるであろう。
注視すべきは医療・福祉の変化である。医療・福祉と社会資本である不動産との関わりである。2008年は診療報酬の改定時期である。後期高齢者の保険制度も変わり、介護療養型医療施設の廃止で23万床を削減されようとしている。高齢者が地域へ放り出されるのである。医療法人の賃貸事業参入や高齢者専用賃貸住宅制度の創設などその対応を急いでいる。日本の高齢化社会に対応するコミュニティをどう組成するか重要な時期である。
姥捨山のような高齢者専用賃貸ゲージは作ってほしくない。
人口減少問題・2010年問題・超高齢化社会の始まりの年である。現在はその序曲にすぎない事を肝に命じなければならない。本当の人口減少は17年後にやってくる。団塊の世代が80代に突入した時期である。団塊ジュニアが50代となり、団塊ジュニア・ジュニアが社会人となる時期である。この17年間で限界村落が崩壊村落となり、限界都市が生じることになる。団塊世代の急激な減少により都市崩壊が生じる恐れがある。団塊ジュニア以降の世代を考え、17年以降を視野にいれた都市福祉政策が課題となる。都市政策と福祉政策の融合であり、行政主導の街作りからの脱却である。また、限界村落の再生に向けた、農地法の改正提言を視野に入れた企業型農業への誘導が必要となり、場当たり的な補助金政策では食料危機は回避できないのである。団塊世代が農業に回帰するという妄想は捨てて、企業型の農業の確立が急がれる。守るべきものは、日本に住むものの食料であり、小規模農家ではないはずである。
耐震問題・建築基準法改正の影響を受けた建築不況は国家政策の稚拙さといわざるを得ない。しかし、200年住宅が必要なのであろうか、20年周期で日本が変わろうとしている時期に、住宅資本の固定化を図るべきであろうか?疑問が残る。なぜ、短絡的になるのだろう。住宅土地調査会長が福田康夫氏であったからとは考えたくないのであるが。日本の木造住宅は建替までの期間が短く、地域の変化に柔軟に対応でき、そのことが、土地活用・再生の原動力となって経済発展をしてきたことを思い起こしてほしい。このことが、100年後に遺恨を残す超高層マンションの乱立の再現にならないかが心配である。
今、急がれることは地域のコミュニティの再生にほかならない。地域コミュニティとの連携型事業が最良の生き残り策であると考える。NPO法人・医療法人との協働による、介護、医療連携型の居住空間が求められている。
サブプライムローン問題により日本経済も影響を受けている。しかし、本番はこれからである。サブプライムローンはアメリカの問題と思っていないか?日本にもサブプライムローンは存在する。旧住宅金融公庫のローン条件の緩和とステップ返済のつけがそろそろ顕在化しようとしている。構造的不況の中、返済額の急激な増加に耐えられない債務者が日本国内でも大量に出現するであろう。日本型サブプライムローンの破綻シナリオを検討すべき時期にきている。
また、不動産証券化商品の組替えが急激に行われている現状を見るにつけ、バブル前夜のような様相が見える。サブプライムローン証券と同様に黒い足音が聞こえるのは私だけであろうか?3月末にかけて、建築関連企業大型倒産の足音が聞こえてくる。フアンド融資を蹴られた物件、建築確認の遅れで資金繰りが悪化した事業、保有資産の資金化等の動きが始まっている。これを、危機と考えるか?絶好のチャンスと見るか?どちらのポジションになれるか?気の抜けない数ヶ月となるであろう。
注視すべきは医療・福祉の変化である。医療・福祉と社会資本である不動産との関わりである。2008年は診療報酬の改定時期である。後期高齢者の保険制度も変わり、介護療養型医療施設の廃止で23万床を削減されようとしている。高齢者が地域へ放り出されるのである。医療法人の賃貸事業参入や高齢者専用賃貸住宅制度の創設などその対応を急いでいる。日本の高齢化社会に対応するコミュニティをどう組成するか重要な時期である。
姥捨山のような高齢者専用賃貸ゲージは作ってほしくない。
2008年1月5日土曜日
個人信託を利用した資産承継
1.相続税の納税は大丈夫ですか?
相続財産が自宅以外に貸宅地や古アパートしかない場合には、納税をどのようにしますか。簡単に相続時は取り敢えず“物納”すれば良いと考えていませんか。物納制度が変わり、物納申請しても一定期間に条件が整備できなければ、却下されるということになりました。相続税対策(納税原資調達)が必要と考えられ、事前に物納条件整備や換金化等必要な方に納税用財産の信託をお勧めいたします。信託された納税用財産の物納条件の整備及び、管理・処分をおこないます。万一、途中で相続が発生した場合でも、信託受益権に質権を設定して納税資金を調達することが可能です。
2.事業承継・事業再生は可能ですか?
本業の収支は安定しているが、特定の不動産取得の借入金等が重くのし掛かり本業を圧迫している場合や子が親の保証のもと事業収支バランスが壊れているに拘わらず何とか事業を継続している場合には事業再生信託を活用しての事業再生が可能です。
3.兄弟間の財産分割に問題はありませんか?
相続が発生して、分割できる財産構成となっていますか。自宅、同族法人株式等、特定の者に相続させたい財産がありませんか。折角、物納条件を整備して納税の準備をしても、財産構成によっては物納が否認される可能性があります。また、承継人の事業によっては借入金等によって分割ができない財産もあります、これらの財産について特定承継人が取得できるよう財産分割型信託が可能です。
4.土地の有効活用が可能になる?
高齢により借り入れが困難で土地有効活用を断念したり、他に納税用財産がないために更地に建築できない場合には土地の有活型財産信託の活用が有効です。
信託の機能
*転換機能
信託財産が信託受益権に変わり、信託目的に応じた形に転換できます。
*意思凍結機能
信託設定時における委託者の意思が凍結され、委託者の意思能力喪失や死亡という事情の変化にかかわらず、長期間にわたって維持できます。
*受益者連結機能
委託者によって設定された信託目的を長期間固定しつつ、その信託目的に沿って、信託受益権を複数に受益者に連続して帰属させることができます。
*利益分配機能
信託の元本及び収益を受益者に対して帰属させることができます。
*倒産隔離機能
信託財産が委託者および受託者の倒産から隔離され影響を受なくできます。
個人信託の効果
1.信託では、ご本人が認知症になってしまった場合にも、ご本人の認知症になる前の意向に基づく、財産の管理・運用・処分が可能となります。
2.遺言は、相続人全員の同意があれば、それを反故にすることができますが、信託ではご本人と信託会社との契約のため相続人の意向に左右されません。
3.信託では、ご本人の死後長期間、財産の運用方法や承継者をご本人が定めることができます。
4.信託では、死後長期間遺産分割を禁止することができます。
5.信託でも遺留分を侵害することはできませんが、信託特有の機能を利用することにより、効果的な遺留分対策をすることができます。
6.信託を利用すると、株式の承継方法として、配当金を受ける権利と株式自体を受取る権利を分離して承継することができます。
7.信託を利用すると、収益不動産の承継方法として、その不動産を相続する人以外の人に収益を渡し続けることが可能です。
個人信託で解決できること
1.老後の生活を子供達の世話になりたくない。病気や認知症になった場合でも自分の財産から治療費や、介護費を支払ってもらいたい。
2.認知症になってしまったら、悪徳業者などから大切な財産を守りたい。
3.貸地や貸家を持っているが、相続が発生した場合、子供達には仕事があり、遠方で管理ができなくなるので何とかしたい。
4.所有している貸地、貸家を整理処分し、収益性の高いものに買い換えたいと考えている貸地、貸家の整理処分を、効率的に第三者で行いたい。
5.長期間契約が続いている貸地・貸家が沢山あるが、契約時期や内容がバラバラで、賃借人に相続が発生しているものもある、管理を一括して任したい。
6.1人息子が心身に障害があり、私が死んだ後、財産の管理が出来ない。私の死
後、私に代わって息子のために財産を管理してくれる人が欲しい。
7.相続人は1人息子だけだが、大変な浪費家で、財産を一時に相続させずに浪費しないようにしたい。
8.遺言書で不動産を長男に相続させ、管理するよう定めているが、長男は相続後すぐ手放してしまうかもしれないので、これをやめさせたい。
9.遺言書を作成し、財産の分け方を指示しているが、相続人が遺言書を無視して勝手な分け方をしないか不安であり、これをやめさせたい。
10.私の財産をまずは妻に、妻が死亡した後は長男にと、順次相続していくように定めたい。
11.個人の名義の社屋・工場の広大な敷地があります、長男に会社を承継させたいのですが、相続財産の分割でもめて会社経営に影響がないようにしたい。
12.社長の私が保有している株式は全て長男(次期社長)に相続させたいが、長女が遺留分を主張して相続紛争にならないようにしたい。
13.跡取り息子はまだ幼く、自分が死んだ後も、息子が成人するまで、自社株をしっかり息子のために守ってやりたい。
14.法定相続人は縁のうすい人しかいなく、社会に財産を還元したい。
15.先祖代々一族の財産としてばらばらにならないように守っていきたい。
16.自宅を活用して、老後の生活資金の安定を図りたい。
17.私の相続発生後の妻の生活資金の安定を図りたい。
18.私は本家の長男ですが、子供がいない。私の弟に先祖代々の財産を承継させたい。
19.甥が心身に障害があり、彼の生活安定のための援助を継続的に私が死んだ後も続けたい。
20.所有している更地の有効活用を一括して託したい。
親族等に対する長期扶養給付信託
扶養をしたい方に対して、本人に代わって、信託財産の運用収益から定期的に金銭の給付を行い、本人の相続発生後も、信託契約期間中は財産の分散を防止し、生前の意思に従って財産を管理し、扶養したい方に対して定期的に金銭の給付を行います。信託契約期間満了後、本人の指示した方法により、信託契約に定める財産の最終帰属者に引き渡します。
認知症の不安解消信託
本人の老後の認知症に備えて、所有財産の管理をおこない、財産の運用による収益を、本人の生活資金、介護費用等に使用します。契約期間終了時に、本人の意思により契約に定める方法により財産を引き渡します。
リバースモゲージ型信託
自宅を信託会社に信託し自宅の名義が信託会社に移転します。その後に、金融機関が根抵当権を設定することにより融資枠(極度額)を設定し、本人は、設定された融資枠の範囲内で借入を行います。
任意後見契約を信託契約に付与することにより、万が一認知症になった場合においても、生活資金、医療費、介護費用等のために、資金を引続き金融機関から借り続けることができます。本人、配偶者の相続発生後に、ご自宅を処分することにより借入金の返済を行います。
遺留分問題解決、意志完結型信託
信託会社が、本人から財産の信託をうけ、本人の相続発生後も長期間継続する信託契約を設定します。信託契約満了時の財産の最終帰属者を後継者となるように信託契約を設定します。相続発生後信託契約満了時までは、後継者以外の遺留分を侵害しないように収益の給付を行い、契約満了時には、後継者が代償金として後継者以外の遺留分を侵害しない価額相当額を支払うように、信託契約を設定します。
相続財産が自宅以外に貸宅地や古アパートしかない場合には、納税をどのようにしますか。簡単に相続時は取り敢えず“物納”すれば良いと考えていませんか。物納制度が変わり、物納申請しても一定期間に条件が整備できなければ、却下されるということになりました。相続税対策(納税原資調達)が必要と考えられ、事前に物納条件整備や換金化等必要な方に納税用財産の信託をお勧めいたします。信託された納税用財産の物納条件の整備及び、管理・処分をおこないます。万一、途中で相続が発生した場合でも、信託受益権に質権を設定して納税資金を調達することが可能です。
2.事業承継・事業再生は可能ですか?
本業の収支は安定しているが、特定の不動産取得の借入金等が重くのし掛かり本業を圧迫している場合や子が親の保証のもと事業収支バランスが壊れているに拘わらず何とか事業を継続している場合には事業再生信託を活用しての事業再生が可能です。
3.兄弟間の財産分割に問題はありませんか?
相続が発生して、分割できる財産構成となっていますか。自宅、同族法人株式等、特定の者に相続させたい財産がありませんか。折角、物納条件を整備して納税の準備をしても、財産構成によっては物納が否認される可能性があります。また、承継人の事業によっては借入金等によって分割ができない財産もあります、これらの財産について特定承継人が取得できるよう財産分割型信託が可能です。
4.土地の有効活用が可能になる?
高齢により借り入れが困難で土地有効活用を断念したり、他に納税用財産がないために更地に建築できない場合には土地の有活型財産信託の活用が有効です。
信託の機能
*転換機能
信託財産が信託受益権に変わり、信託目的に応じた形に転換できます。
*意思凍結機能
信託設定時における委託者の意思が凍結され、委託者の意思能力喪失や死亡という事情の変化にかかわらず、長期間にわたって維持できます。
*受益者連結機能
委託者によって設定された信託目的を長期間固定しつつ、その信託目的に沿って、信託受益権を複数に受益者に連続して帰属させることができます。
*利益分配機能
信託の元本及び収益を受益者に対して帰属させることができます。
*倒産隔離機能
信託財産が委託者および受託者の倒産から隔離され影響を受なくできます。
個人信託の効果
1.信託では、ご本人が認知症になってしまった場合にも、ご本人の認知症になる前の意向に基づく、財産の管理・運用・処分が可能となります。
2.遺言は、相続人全員の同意があれば、それを反故にすることができますが、信託ではご本人と信託会社との契約のため相続人の意向に左右されません。
3.信託では、ご本人の死後長期間、財産の運用方法や承継者をご本人が定めることができます。
4.信託では、死後長期間遺産分割を禁止することができます。
5.信託でも遺留分を侵害することはできませんが、信託特有の機能を利用することにより、効果的な遺留分対策をすることができます。
6.信託を利用すると、株式の承継方法として、配当金を受ける権利と株式自体を受取る権利を分離して承継することができます。
7.信託を利用すると、収益不動産の承継方法として、その不動産を相続する人以外の人に収益を渡し続けることが可能です。
個人信託で解決できること
1.老後の生活を子供達の世話になりたくない。病気や認知症になった場合でも自分の財産から治療費や、介護費を支払ってもらいたい。
2.認知症になってしまったら、悪徳業者などから大切な財産を守りたい。
3.貸地や貸家を持っているが、相続が発生した場合、子供達には仕事があり、遠方で管理ができなくなるので何とかしたい。
4.所有している貸地、貸家を整理処分し、収益性の高いものに買い換えたいと考えている貸地、貸家の整理処分を、効率的に第三者で行いたい。
5.長期間契約が続いている貸地・貸家が沢山あるが、契約時期や内容がバラバラで、賃借人に相続が発生しているものもある、管理を一括して任したい。
6.1人息子が心身に障害があり、私が死んだ後、財産の管理が出来ない。私の死
後、私に代わって息子のために財産を管理してくれる人が欲しい。
7.相続人は1人息子だけだが、大変な浪費家で、財産を一時に相続させずに浪費しないようにしたい。
8.遺言書で不動産を長男に相続させ、管理するよう定めているが、長男は相続後すぐ手放してしまうかもしれないので、これをやめさせたい。
9.遺言書を作成し、財産の分け方を指示しているが、相続人が遺言書を無視して勝手な分け方をしないか不安であり、これをやめさせたい。
10.私の財産をまずは妻に、妻が死亡した後は長男にと、順次相続していくように定めたい。
11.個人の名義の社屋・工場の広大な敷地があります、長男に会社を承継させたいのですが、相続財産の分割でもめて会社経営に影響がないようにしたい。
12.社長の私が保有している株式は全て長男(次期社長)に相続させたいが、長女が遺留分を主張して相続紛争にならないようにしたい。
13.跡取り息子はまだ幼く、自分が死んだ後も、息子が成人するまで、自社株をしっかり息子のために守ってやりたい。
14.法定相続人は縁のうすい人しかいなく、社会に財産を還元したい。
15.先祖代々一族の財産としてばらばらにならないように守っていきたい。
16.自宅を活用して、老後の生活資金の安定を図りたい。
17.私の相続発生後の妻の生活資金の安定を図りたい。
18.私は本家の長男ですが、子供がいない。私の弟に先祖代々の財産を承継させたい。
19.甥が心身に障害があり、彼の生活安定のための援助を継続的に私が死んだ後も続けたい。
20.所有している更地の有効活用を一括して託したい。
親族等に対する長期扶養給付信託
扶養をしたい方に対して、本人に代わって、信託財産の運用収益から定期的に金銭の給付を行い、本人の相続発生後も、信託契約期間中は財産の分散を防止し、生前の意思に従って財産を管理し、扶養したい方に対して定期的に金銭の給付を行います。信託契約期間満了後、本人の指示した方法により、信託契約に定める財産の最終帰属者に引き渡します。
認知症の不安解消信託
本人の老後の認知症に備えて、所有財産の管理をおこない、財産の運用による収益を、本人の生活資金、介護費用等に使用します。契約期間終了時に、本人の意思により契約に定める方法により財産を引き渡します。
リバースモゲージ型信託
自宅を信託会社に信託し自宅の名義が信託会社に移転します。その後に、金融機関が根抵当権を設定することにより融資枠(極度額)を設定し、本人は、設定された融資枠の範囲内で借入を行います。
任意後見契約を信託契約に付与することにより、万が一認知症になった場合においても、生活資金、医療費、介護費用等のために、資金を引続き金融機関から借り続けることができます。本人、配偶者の相続発生後に、ご自宅を処分することにより借入金の返済を行います。
遺留分問題解決、意志完結型信託
信託会社が、本人から財産の信託をうけ、本人の相続発生後も長期間継続する信託契約を設定します。信託契約満了時の財産の最終帰属者を後継者となるように信託契約を設定します。相続発生後信託契約満了時までは、後継者以外の遺留分を侵害しないように収益の給付を行い、契約満了時には、後継者が代償金として後継者以外の遺留分を侵害しない価額相当額を支払うように、信託契約を設定します。
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