2007年9月11日火曜日

地域貢献型の不動産活用

地域貢献型の不動産活用がこれからのキーワードとなるのでしよう。
日本は高齢化社会に突入し高齢者人口の増加は急激なものがあります。しかし、現時点の賃貸住宅需要の絶対数では、若年層が多いことも事実です。核家族化が急速に進む中賃貸需要の嵩上げがされています。高齢者専用、優先住宅の提案がされるケースが多く見受けられます。自立高齢者専用「高齢者入居可」というだけで、何の人的サービス・介護・ケアもない住宅、「要介護になったら退去」条件付きの施設等では高齢入居者にとって全く魅力がありません。要介護高齢者専用、要介護専用施設は最早「住宅」ではありません。これからの賃貸住宅はソフト・ハード両面に相応の投資をしないと競争力の無いものになってしまいます。少子高齢化の逆風に対する方策のひとつに高齢者住宅事業があります。しかし既存の事業形態はリスクも大きく、具体的な取り組みとなるとさまざまなジレンマがあり、決断の要素が難しい側面があります。高齢者専用住宅、家賃補助制度があったとしても、10年~20年後に賃貸住宅はどうなるのでしょう。補助制度がなくなり、居住者の高齢化が進み、設備の老朽化が顕著となる事を予測するならリスクの高い事業だと言わざるを得ません。高齢者が増加するから高齢者の入居を推進する賃貸住宅を建てる、それだけで良いのでしょうか?
その中で、福祉長屋(コミュニティハイツ事業)は、通常の賃貸マンション事業の形態を維持したまま、高齢者需要をプラスアルファできる“第3の選択肢”となるといえます。賃貸住宅の一室をNPOが借り受け、NPOがテナントとして高齢入居者を支援するのがコミュニティハイツのしくみです。NPOは単に当該賃貸住宅の入居者のためだけに事務所を構えるのではなく、地域の活動拠点として運用します。これが、リーズナブルな入居者費用と地域資源を活かしたバックアップ体制をうみます。コミュニティハイツ事業は、介護・生活支援事業と不動産事業を分離していますので、オーナーは福祉事業に関わる法的・経済的リスクを負いません。そして、地域貢献のためのシステムを提供することになるのです。まだまだ、器だけを作る有効活用提案がなされている、今、新発想が必要かも知れません。